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昔、雨は星のかけらなんだと思っていた。
雨は空から降ってくるものだから。
そして、雨上がりの夜空があまりにも綺麗だったから。
だから梅雨の時期に開催されるこの市場は、星の贈り物なんだと思う。
「師匠！見てくださいすごいです！」
「…分かったからあまりはしゃいで迷子になるんじゃないぞ」
南方。ほしふり市場。
修業を終えた後、「どうしても」とせがむ弟子に頼まれ、しぶしぶゼインは此処にやってきた。
…というのは建前で。
はしゃぐ弟子の前で自分も行きたかった、とは言えず。
素直になれない自分の性格を呪いながら、気にしないふりをして店の間を通る。
あれは何なのだろう、これはどうやって使うものなのだろう。気にはなるのだが、
「師匠、これは何でしょうね？」
「さぁな。こら、あまりむやみに触るんじゃない」
終始弟子の買い物の様子を遠目で観察する。…自分だってもっとよく見たいくせに。
そんなもやもやを抱えながら、２人はある一軒の店に到着した。
南方では見たことのない店、店主、そして品物。
「こんにちは、いいものそろってますよ。そこのアナタもいかがですか？」
店主に誘われて、何気なく品物に近づく。
あれやこれやと店主に尋ねる弟子の横で、ゼインはようやくゆっくりと品物を
間近に見ることができた。
その中でふと、気になるものを見つける。
砂の閉じ込められた小さなビンらしきもの。
ビンの中央がくびれて２つに別れた、ふしぎな形をしている。
「それはね、人間の持ち物だったんです。砂時計、って言うんですよ」
こちらが興味をしてしているのに気付いたのか、店主が説明を始める。
「その砂は、ほしのすなが使われているんです」
「星の…砂？」
砂時計をひっくり返せば、きらきらと少しずつこぼれおちる砂。
ひこうポケモンでも届かないはるかはるか空の上にある星の砂だという。
雨は結局星のかけらではないと知り、幼心に少し傷ついた。
結局、星なんて誰もが一生かかってもたどり着けない場所なんだと分かった。
そんな子供のころの笑い話を、一度だけ話したことをふと思い出す。
－わっちは、いつか行けるんじゃないかと思う。
そうしたら、お土産に持ってきておくれ。楽しみに、しているから－
「店主、これは何と交換すればいい？」
「まいどあり」
なんとか手持ちの木の実で足り、砂時計と交換をする。
手の中で何度かひっくり返して眺めていると、他の品物を見ていた弟子が気づく。
「買われたんですか？」
「…講義の終わる時間が分かりやすくなるんじゃないかと思って、な」
「…師匠、講義なんてしてましたっけ」
東方のある青空教室のすみっこに、小さな砂時計が置かれるようになったのは
それから数日後の話。
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お粗末さまでしたー！
砂時計は終了まであと３分とかに使われているかも。
砂時計というものを世界観の中で出してよかったかどうか…人間の道具という事で…！
中身はゲームにも存在する「ほしのすな」ですよ。ショップで高く売れるやつ（ぁ
多分、ゼインは講義はほとんどしない…口下手だし…実践が主体かな！
若干ロマンチストで怖いぞゼイン！（幼少期はね！）
サーリさんや凩さんや癒紀乃さんの口調がこれでよかったかは微妙…！！
お弟子さんとお買いもの♪と恋人さまにプレゼント探したい！という欲望の合わさった
ネタでした有難うございましたー！！！！
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